私のオフィスがある六本木は、その昔は旧防衛庁のあった場所で、ちょうど東京ミッドタウンがあった付近がそれにあたる。
戦後に開かれるまでは、未開の場所であったらしいが、90歳の方でこの辺に古くから住んでいる人の話では、兵隊さんの起床のラッパなどはよく聞こえたらしい。
そういうこともあって、麻布十番から六本木までの上り坂を利用して、防空壕が多くあったという記述がある。
また、現在の六本木ヒルズにあるテレビ朝日の場所は、ひとつ前はニッカウヰスキーの工場。
言うまでもないが、その昔は、藩主の屋敷とお寺だらけの場所。そしてこの前の時代の正確な地図は見当たらない。
そんな見方をしていると、浅草の古さが際立って見えてくる。浅草寺の建設は628年で、推古天皇が崩御したあたりの時代になる。
なるほど、それは観光スポットになるか。
幕府に納める米の蔵もあったらしい。浅草のすぐ下に蔵前という駅があるが、おそらくそういうことだろう。
では、今後の東京はどうなるのか?と未来に目を向けると、直近では、六本木周辺は忙しいことになる。
先ずは、当初は「あそこに建てるの?」と、不自然な場所に思えた虎ノ門ヒルズ。
ここを始めに、今度は来年は神谷町ヒルズが出来上がる。ロシア大使館と狸穴町(まみあな)の目の前だ。
そうか、虎ノ門ヒルズと神谷町ヒルズの動線が繋がってくる(既に虎ノ門と神谷町の間には森ビルがある)。これによって、虎ノ門、神谷町、六本木一丁目の駅はヒルズを囲む形でどの駅からでもアクセスができる様になる(そのために虎ノ門ヒルズ駅を作った)。
そこばかりにフォーカスしていると、森ビルの策略に気がつかない。
そう、六本木ヒルズの周辺の再開発。これは虎ノ門ヒルズが立つ前から地味に立ち退きをおこなってきた。これで広尾方向の西麻布が変わる。
つまり、六本木と広尾のアクセスも格段に良くなる可能性がある。
私の想像では、この虎ノ門ヒルズと神谷町ヒルズに加え、六本木ヒルズの再開発で、全て動線を森ビルで囲ってしまうのではないか?と思っている。
となると、この動線に残る住宅街は、ただでさえへ希少価値は高いが、私は更に有望な不動産になるのではないか?と思っている。
昨今の地球は、温暖化の傾向にストップが掛からない。将来は、六本木の山を生かし、地下で全てが繋がる時代が来るのかも知れない。