たまには専門の分野

たまには専門の分野

↑大塚製薬のHPより

今日は暖かい一日です。明日も暖かいとのことですが、その後から気温がまた徐々に下がるとのこと。

毎年のことながらこういう時期は、ギックリ腰や腰痛には本当に気をつけてくださいくださいね。ギックリ腰になると、施術を受けてその場で痛みが8割くらい良くなるようなパターンと、時間という材料が必須なケースがあります。

おそらくこれから桜の開花時期までに、周囲でも「腰が痛い」というかたときっと遭遇されると思いますよ。

今はテレワークの比率が高くなって来ていますが、コロナ前なんかは会社で当院と契約をした方が早いのでは?というくらい、同じ職場でギックリ腰仲間がいらしていましたから。

何しろ、整形外科では安静と湿布、痛み止めだけですので、どれも解決方法にはなりません。と同時に、ギックリ腰は湿布も痛み止めも一切必要はないものです。

私のところにいらしている方には、腰痛やギックリ腰の原理はご説明させて頂いていると思っていたのですが、この間の方は「聞いていない」、その前の方は「難しくてわからなかった」とそれぞれがおっしゃるので、改めてここで体の原理といいますか、大枠の習性をご理解いただきたいと思います。

まずギックリ腰は、筋肉や骨の関節に負荷が加わり、限界点を越えてしまうことによって起こります。「ちょっとクシャミをしただけなのに」とか「普通に立ち上がっただけなのに」と仰る人が多いのですが、それが原因ではなくて、単に切欠であっただけ。既に筋肉は正常な収縮運動を起こせなくなっていたところに、更に負荷が掛かって、筋繊維や筋膜、間接が痛んでしまった物理的損傷です。

これは、ギックリ腰に限ったことではなく、寝違えも同じです。また、凝りなどの軽微なものでも、原因の発端は殆ど変わりません。

とくに筋肉は、電気信号のケーブル(神経)を元に収縮を行うものですから、電気ケーブルに流れている電気信号次第で凝ったり張ったりするものなのです。

凝りというものの多くは「筋肉に蓄積した老廃物質」という観点から語られています。しかし、仮にこの老廃物質を全部流し切ったとしても、筋肉へ異常な電気信号が流れている状態には変わりはありません。筋肉はそれに比例して緊張状態を維持し、継続的に老廃物質を出し続けます(過度な運動はその限りではない)。

よって、筋肉に老廃物質が蓄積する理由は、通常の処理能力以上の収縮活動があるということになります。

じゃあ、その老廃物質を筋肉内で過度に生産し続けてしまう理由はどこからくるのでしょう。すなわち異常な電気信号の発生源の追求です。

実はここが一番フォーカスされなくてはならない部分。

まずは、電気信号の経由をたどって行くことにします。

画像は、ネッター解剖学アトラス原書第3版引用。神経の中枢部分を輪切りにして真上から見たものです。赤い丸の部分が脊髄なのですが、手も足も内臓も、全身にある全ての神経は、いったん背骨の中に格納された「この脊髄を通過する」ことになっています(顔面の神経は脊髄を経由せず直接脳から)。

みなさん、おそらく経験があると思いますが、脱力した状態で膝の皿の下あたりにある腱を素早く叩くと、足がぴょんと跳ねる。いわゆる脚気(カッケ)と呼ばれる検査の場合、筋肉が勝手に意識とは違って動いてしまいますよね?

これも全てここの脊髄の仕業、すなわち脊髄の反射によるものなのです。

図を見て赤い丸から2本の緑の線が再び1本になっているのが見えると思いますが、2本ある理由は、体から入ってきた情報を処理する側と、体に指令を出す側とでの役割分担になっているからです。

っで、この緑の線がそこから1本になったあと、今度はその1本から三又(❶から❸)に分かれています。

一本は「お腹側」もう一本は「真横」、そしてもう一本は「背中側」に走行。

例えば、背中側に行っている神経(3)は、背中の筋肉を収縮させるために走行しています。この筋肉に神経から電気信号が流れてくると、筋肉は収縮して硬くなります。これが安静時(脱力時)にも電気が異常に流れ込んでくる状態を、いわゆる「凝っている」と呼んでいるのです。

もちろん筋電計というもので測って見ると、より客観的に筋肉の緊張状態(凝りの状態)を把握できるのですが、私のオフィスには、NASAの宇宙飛行士の体を測るために使っていたこの筋電計が常備されています。

っで、困ったことに今ご説明したこの「3」は、その他の1と2と元は同じところから分岐をしていますから、仮に「3」が安静時にでも筋肉に異常な電気信号が伝達されているとした場合、同様に1と2にも異常な電気信号が到達している事になるのです。

まず、2の「真横」に走行しているのは、体を横断して、脇腹〜お腹側までの活動を支配します。

そして1の「お腹側」に別れた神経は、内臓の働きを決める神経に繋がっているわけです。

ここまでについてまとめると、

・筋肉は勝手に凝ることはできない

・神経からの異常な電気信号(安静時でも強い電気が流れてくる状態)は安静時に見られる異常な筋電値として検出ができる

・脊髄から出た三又の神経は同じ運命共同体であって、ここの起きた異常電気信号は3つ全てに異常電気信号が流れる

となります。

よって、これらを応用すると、例えば2の神経経路にある、脇腹や胸のあたりの皮膚に問題が生じた場合には、我々は根元の1と3の状況をチェックする必要があるわけです。

さて、1の神経は内臓に繋がっていると述べました。

内臓にはどのようにこの電気信号ケーブルが分布しているのか、その一例を上の画像にアップしました。これも先程と同じく、ネッター解剖学アトラス原書第3版抜粋です。

少し見づらいですが、右のやや上のところに、黒字で「T10 T11 T12 L1」と縦配列で書かれているのが見えるでしょうか?

これは何を表しているのかというと、脊髄は実は金太郎飴みたいに一本で出来上がっていますが、まるでムカデの足ように、途中途中で左右対称に触手を広げています。

この触手は、各背骨の間を通過して全身へ枝分かれしています。

っで、このムカデの足に一本一本名前がついていて、それは背骨の数え順に合わせています(すべての背骨の間を通過しているので)。

つまり、ここでいう「T10」というのは Thoracic(胸椎)の頭文字のTであって、すなわち上から数えて10個目の胸椎の枝分かれ部分ですよということです(LはLumbarの頭文字で腰椎を表しています。胸椎は12個しかありませんのでここで腰椎の1個目(L1)と呼び方が変わる。)。

この図は、腎臓の神経分布を表しており、要するに上から数えて10個目の胸椎から腰椎の1個目までから出た神経は、内臓では腎臓の働きをコントロールしていますよというわけ。

下の図は、このムカデを横からみたところですが、背骨と脊髄分岐の関係性。

話せばものすごく長くなるので、かなりショートカットします(既に長いが)。

腎臓の働きが何らかの形で乱れたり(病気や物理的損傷も含む)、負担が掛かったりすると、この電気信号は全て1~3の三又のところへ影響を与えてしまうのです。

ですから、背中の筋肉が固まっているというのは、そこが自発的に固まっているわけではなく、三又のどれか(そのほとんどが内臓)に異常があることを示してるということです。

これは、コロナの世界の感染者数データーでも有名になった、アメリカのジョンズホプキンス大学で既に立証されているものですが、内臓の機能異常、および病気がある場合は、背中の温度差や筋肉の硬さに継続した異常がみられるという結果です。特に温度差に関しては、かなりの部分で内臓の病気を背中で調べる事ができています。

気候や気温の変動は湿度の変動、気圧の変動であって、これは内臓機能に負荷を与えます。

腰痛ですと、殆どの場合はココでご紹介した腎臓が要因です。体内水分量が不足すると、濃い結晶化しやすい血液が腎臓を行き来します。

更に、寒ければ血圧を急激に上げ、暑ければ血圧を下げる。この繰り返しを水分が不足した状態のドロドロ血液でやってしまうと、腎臓はダイレクトにダメージを受けます。

意外と知られていませんが、血圧は腎臓によってコントロールされているので、寒い環境下や温度差が激しい時には仕事量が増え、そのたびに上で説明した1~3の部分に異常電気信号が流れて、無自覚の状態で背中の筋肉に緊張を及ぼし、結果この筋肉が背骨を引っ張り歪曲をさせるという経緯です。これを連続的、長期的に強いられ、筋肉や関節が痛んでしまうのがギックリ腰。

他にも腎臓を疲れさせる原因になるのは、たんぱく質の採りすぎ(最後は老廃物質になるので腎臓でろ過負担となる)や、塩分接種を大量にしないことも大事ですね。

さて、最後に1~3の他に(4)というのがありますよね?これは便宜上3と同じ扱いにしたのですが、3は末端の方でもう一度枝分かれ(4)をしています。

この4は何をしているのかというと、皮膚にある汗腺、立毛筋(鳥肌にさせたりする)、毛細血管を開いたり閉じたりします。これによって「体表面の温度管理」を行っている。

今日の応用になるのですが、4とて1~3と同じく1本の所から出たものですので、1の内臓に何か働きすぎなどの異常電気信号が発生すれば、同時に4にも等しく異常が生じます。

つまり、体表面の温度を注意深く観察するだけでも、内臓に働きの異常の有無、病気の有無がわかるわけです。

実は人間用にはそれがあるのですが、人間は少し我慢をすれば、医療的検査を簡単に受けられたり、自覚症状があったりしますよね。

っで、私はこれの動物用(とくに犬や猫)に対して、全く体に接触もせずに温度差を検出できる器械を作っています(特許込み)。

動物は話せませんし、飼い主がわかった時には既に症状が発症した時。

この1~3(4)の異常電気信号は、病気や自覚症状が出る前には既に検出ができるものですから、全く負担もなく害も無い、また触る事もなく病気になる前に見つけ出せるというのが利点があるわけなのです。