信頼性

昨今、体温計測のために、赤外線センサーが活躍しています。

赤外線計測におけるメリットは、非接触型であるために、一度使う毎に消毒作業を行う必要がないということ。要するに、感染症における体温計測には強い味方なのです。

じゃあデメリットはなんなのかというと、その計測温度のばらつき。

これも特許申請の時に随分苦労しましたが、上の画像のように赤外線を感知する心臓部分は、世の中では数種類しか製造されていません。つまり、出来上がった製品の箱は違っても、中身はいずれかのセンサーを埋め込んでいるということ(一応ひと通り試しました)。

今日いらしていた方が、国が補助を出して、全ての店舗や施設の玄関に顔認識の赤外線体温計測器を置くといいとおっしゃっていました。

ま、やっています感は出るのですが、これを「全て正しい温度を読み込んでいる」と思ったら大きな間違えです。

というのは、所詮接触をして測っていませんから、厳密な数値は出せていないのはもちろんのこと、周囲から反射した赤外線を拾ってしまいエラー数値を出します。そして何よりも、体温=おでこ及び顔面の温度ではないことを、計測者は「十分理解した上で」活用する必要があります。

この間も、お店でおでこに向けて「ピッ」とされましたが「35.5℃です」とのこと。私の平熱は36.5~7℃です。「へ〜35.5℃なんだ」とつい余計な小言を(←嫌な人です)。だって、仮に37.5℃だったら入れてくれないわけでしょ?だったら35.5℃でも入れちゃダメだよね。私の体温が「平熱」ではないことは確定されているわけで、つまりは熱があるのか無いのか分かっていないということ。

本来は正確に測るためには、やはり従来の接触式のもので腋窩へ差し込み、クイック計測(1〜2分)ではなく、10分かけて測る必要があります。

体の体温は、さまざまな環境で変化を出すので、本当の体温は腋窩で測るのが無難です。

実際に、夏場で救急隊に耳で体温を計測されたこともありました。数分後に病院のERで測ったら全然体温が違う。

これも、体の深部で測っていないから起こるエラーです。

よって、おでこで測って熱がないからイコールコロナ感染をしていないという単略的な決めつけは、もっての外で危険なのです。

お店などで測るのは、どちらかというと「体温計測を実施し、万が一店内で感染が広がった時に、入店時には体温を測って平熱だった。よって、当店の責任ではない。」という論理を展開しやすい既成事実作りでしかありません。

非接触で計測精度を落とし、更にコロナでは発熱しない人が多くいる(おそらく無症状者の方が格段に多いと思います)。

根本的に不確定要素だらけの行為であることを踏まえつつ、便利なものは習性を理解して活用しなくてはなりません。

ちなみに、画像のセンサー心臓部ですが、これ、困ったことに同じ製品を10個仕入れるとするじゃないですか。

興味深いことに、10個全部が同じではないんです。

個体差というのがモロにある。

つまりは、同じ条件下で同じように測っても、厳密にはそれぞれが違う数値を表すのです。じゃあAとBとCがあって、どれが一番正確に測れているのか?という質問に答えられないわけで、一体それをどうするのか?ということになる。

さぁ大変。まるで腕時計がたくさんあって、どの時計が本当に正しい時刻を指しているのか?という質問と同じ。

時計の場合は、今はスマホの通信機能を使って時間がズレないようにはなっていますから、スマホを見ればわかるし、昔は時報「117」に電話をかけていましたよね?(←そろそろ年齢がバレるかも)

この時報のように、温度には平面黒体炉という真っ黒くて水平な板を、一定の温度に上げて調べるんです。黒体炉ベースで20.00℃で、その20.00℃を赤外線センサーもしっかりと示しているのかどうかというもの。

これをやらないと、Aの心臓部が19.50℃と読み取って、Bの心臓部が20.5℃を指していたら、最大1℃も違う基準で計測していることになります。

さらにさらに厄介なことに、これまた腕時計と同じように、国体炉で厳密に20.00℃を指すように調整したとします。っが、使っているうちに、なんでかまた変わってきたりもする。

時計の時は、「私だけ数分タイムスリップした」という強引な納得方法も通じましたけどね。

いや〜温度の世界って結構大変なんですよ。

でも赤外線は便利なので、これを使わない手はないわけで、少なくとも2回以上は測る(しかも違う計測器で)、入店時でだけではなく、理想的には退店時にも測る。

これしかないと思うんですよね。

ってことで、体温計測は「参考材料」としてはとても重要な指標ではありますが、上記の様なことをイメージしながら、一定のエラーを織り込み済みで、使う側が遊びを持って活用しないといけないものなのです。

それって、世の中全てに言えることではあるのですが、最近は100%依存の人種が増えてしまいましたのでね。

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