均衡点

この頃は、政府行政がしきりに訴えているものだから、どこのお店に行っても消毒用アルコールが入り口に置かれています。

いわゆる感染症対策の一環ということでもあるのですが、現代に置いて、ウィルスパンデミックを初めて経験するものですから仕方がない。

ただ、世の中がいつも片一方に急激に流れを持った時には、しっかりと逆を見なくてはいけないのが世の真理。

おおよそ、この流れが一方的だと、逆のことを言う人は嫌われるものです。だからこそ歴史的にこれまで人間は大きな過ちを繰り返してきたわけでもあり・・・。

集団の中で逆の視点を投げかけるということは「空気が読めない」印象を持たれ、そして排除される傾向にあるものです。

終戦後、当時の戦争主導者は裁判にて「今考えると無理なことをしたが、当時はその無理な作戦をやらなければならないという全体的にそういう空気だった」と述べています。

これと同じく、日本のバブル崩壊でも「あの時は株価がここまで暴落するとは思わなかった」という言葉を良く耳にします。「株価はまた上がって来る」という神話が損失隠しを生み、そして破綻したのが山一證券です。

この、冷静に後から考えて見れば、無謀であったことであっても突き進んでしまうこと。その決定は何によって下されているのかと研究をされた方が山本七平氏です。

彼は、この最終決定者を「空気である」と結論付けています。空気とは、思考停止に陥る「何か」であって、この一方的な空気(思考停止)が出来上がった時には、反対の意見を言うと「水を差す」ことになる。と。

戦時中では、勝つまでは負けを認めない、またはどんなに不利な状況下でも、我々は優勢だと信じたい心理。バブル期ではどんどん上がり続ける株価を見て、日本は強い、下がっても高が知れているという楽観論。

いずれも、急激に突き進んだ「異常状態(空気)」にあるわけです。

急激に進んだ(空気)ものは、必ず均衡点(水を差され)まで戻ってくる。

まるで、雲と雨との相互関係のよう。

つまりは、戦時中の混沌とした世の中であれば、今度は大きな振り子のように平和主義、日和見主義が訪れる。株価であれば、一気に上昇したのなら、次は急激な値下げをもって、その平均値を模索し始めます。

っで、私がこのコロナ禍で一番懸念しているのは、消毒薬を過多に使用することによって、アルコール耐性をもったウィルス、またはアルコールのアレルギーを持った人が増えてくることです。

ウィルスは適応能力を必ず発揮してくる。

ウイルスを強力に抑止すれば、とてつもないスピードで突然変異を繰り返してしまう。聞こえは悪いのですが、事実として、上気道感染症で亡くなる方は、世界中で一定数これまでも沢山いたわけです。つまり、ウイルスの生存と人間の生存は、一定の部分で均衡状態を保っていた。

しかし、人間は生物的なスピードの均衡(自然免疫)ではなく、科学を用いたスピードでウイルスを完全抑圧しようとしてしまう。これによって、一律的にウイルス排除を行うから、排除されなかった突然変異種だけが生き残ってゆく。急激な動きは必ず急激に均衡点を探り始め、乱高下を作り上げてしまうものです。

逆の視点から捉えれば、均衡点とは、一方的に勝っていない、または負けてもいない状態であって、ウィルスを全て世の中から排除すれば良いというのは、イコール全人類が克服できないウィルスの誕生を切望していることにもなるわけです。

人間は漏れなく、精子が卵子の細胞内に入り込むことで受精をし、そして細胞分裂を繰り返して出来上がっています。この細胞内に入り込む仕組みは、何を隠そうウィルスから頂いた能力です。ウィルスの完全否定は生物進化の否定でもあることを心に留めておく必要がありそうです。

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