JAZZボーカリストであったり、ピアニストであったりと、思い返せば海外の方々ばかりをここで取り上げて、日本人の方をあまり載せていないなと今更ながらに気が付きました。
私が日本人でダントツに芸術性の塊だと思うミュージシャンは宮本浩次。
なんていうのかな、例えて言うなら岡本太郎を歌手にした感じ?
彼は、学生の時からず~っと同一メンバーでバンドをやってきたので、ある意味決まった型に嵌りきっていて、彼の芸術性のキャパを最大限に生かせていなかったのではないかな?と思う。
誰かに手綱を持ってもらって、しっかりコントロールをしてもらったら、恐ろしいボーカリスト、いや、それらの天辺を一気にぶち破って、超一流芸術家に様変わりしてしまう。
天才はプロデュース業が苦手な典型例。
ロックンローラーを馬鹿にするわけでは無いのだが、彼の場合、音程の正確さや声量も含めて別格。
それでいて、あれだけ暴れまわっても声がブレる事がなく、それどころか逆に正確に。高音域ではあろうことか一段ギアが上がり、声量も倍くらいに増してしまう。
日本のシンガーの中では、間違いなくバケモノ級で、私がかろうじて知っている歌い手の中で探しても、比べられる人が全く思い付かない。
それは、スポーツ選手の「ゾーンに入る」のと同じであったり、「本能的な表現」というか、分野を既に超越した(人間も超越した素行だが)、歌でもなく、絵でもなく、ダンスでもなく全ての上にあるエネルギーそのもの。
きっと、言葉が通じない先住固有民族や、未知の宇宙生命体であっても、彼のパフォーマンスは通じると思う。結局芸術ってその領域なんですよね。
人間バンザイみたいな。
ただ、やはりというべきか、天才というものは、社会的に何かが明らかに欠如している。
彼に論理的な話を聞いてはダメだ。質問した内容と返って来る答えは一切かみ合っていないし、一度何かの番組の食レポをテレビで見たが、コメントもなく全て食べきってしまった。あと、何でかすぐに髪の毛をグシャグシャしてしまうんですよね。
もしも小中学校にこんな人が居たら、多動症か適応障害で、担任の先生からカウンセラーを紹介されてしまうだろう。
ま、そういう素行のせいなのかは分からないが、彼がなぜ世間でダントツの評価をされていないのか、私的には疑問でしかない。